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ポルシェ デザインのデザインワーク。それは製品の持っている機能にはじまり、その製品が与える感情、所有する歓びまでをすべて視覚的に採り入れることにある。そのため彼らは製品自体の力を重要視する。革新的なデザインは、一級の「才能」をもつものからしか生まれない、という信念を彼らは持っているのだ。 |
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― ツーリングワゴン BLITZEN 2001 modelのデザインコンセプトはなんですか? ポルシェ デザイン まず私たちが目指したのが、レガシィのスポーティさを強調すること。B4と同じスポーティーさをワゴンにも盛り込もうと思った。たとえば、フロントバンパーのエアインテークとリアバンパーのエアアウトレットの大きさはB4もワゴンも同じだ。もし私たちが「B4とワゴンは性格が異なって当然だ」と考えていたのであれば、ワゴンの開口部を小さくするか、あるいは埋めてしまっただろう。しかし私たちはそうしなかった。 その点でデザインコンセプトそのものは、B4もツーリングワゴンも変わりはない。 そして、面をきれいに見せることで、デザイン的なハーモニーを大切にした。今回私たちに与えられた仕事はクルマ全体をデザインすることではなく、バンパーなどのパーツをデザインすることだ。だからこそ、我々のデザインしたバンパーはレガシィのオリジナルデザインとの調和が取れていなくてはならない。ここがスバル、ここがポルシェ デザインというのではなく、一体感が必要だ。私たちはヨーロッパのデザイナーだから、明確な面の構成を心がけた。理解しやすい面の構成、余計な装飾のないクリーンな面。すなわちこれらは、ヨーロッパ流のデザインのガイドラインに忠実な作業をしたということになる。 |
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― ヨーロッパ流のデザインとは? ポルシェ デザイン ドイツ人のデザイナーは、あるモノがなぜそういう形をしているかを理解できないと納得が行かない。言い方を変えれば、何かをデザインするときに「なぜそれがある形をしているか」がきちんと説明できなくてはならない。モノの形は 機能を表したり、感情を表したりするもので、なにかを説明していて然るべきものなのだ。説明できない形、理由のない形、たまたまそうなってしまった形というものを私は好まない。私は車を眺めたときに、 ひと目でコンセプトを理解したい。なぜここをこんな形にしたのかという理由を尋ねなくてはならないというのはダメで、デザイン自体がその理由を物語ってくれないといけない。 ― 感情を表すという言葉が出ましたが、私たち日本人は、機能から生まれるデザインと感情を表現するデザインは別のものと考えがちです。 デザインにおいて、機能と感情が一致することはあるのでしょうか。 ポルシェ デザイン 論理と感性が対立する概念だとは思わない。その良い例がアウディTTだろう。あの車は、非常にロジカルな形をしている。ラインは、いやになるほどシンプルだ。フロントのラインを決めて、それにリア側を合わせて行くと必然的にあのような形になる。非常にロジカルなラインばかりだ。図面を書 いている段階でデザイナーは「こんなラインは単純すぎてだめだ」と考えるだろう。しかし、出き上がった車を実際に自分の目で見てみると、人の 心を動かす力を持っている。これで論理と感性には太いリンクがあることが分かるだろう。 |
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― ヨーロッパではワゴンはどう選ばれているのですか? ポルシェ デザイン ヨーロッパでは、ワゴンの販売数は増えている。10年から15年前はセダンの社会的なステータスがワゴンよりずっと高いという時代だった。セダンに乗っている人は、事務職や弁護士のようなホワイトカラーばかりだった。一方、ワゴンはブルーカラーの乗り物だと考えられていた。こうしたステータスの差は、現在ではまったく無くなっている。ホワイトカラーがワゴンを買うのはごく当たり前のこ とで、ワゴンに乗っているの は賢い人間であるという見方もできる。実際ワゴンはセダンより使い勝手が良いから、販売実績でもワゴンが伸びているのだ。 ヨーロッパでもワンボックス車のようにインナースペースの大きな車のセールスは伸びていて、ヨーロッパの自動車メーカーの多くがいわゆる 「スペースワゴン」を作っている。だが、使い勝手やスペース、性能、ボディの大きさなどのバランスという点では「スペースワゴン」よりも普通のワゴンのほうが良いと思う。ワンボックスのボディは大き過ぎると感じる人は多いはずだ。ワゴンの持つバランスの良さが使いやすさに結びついていると思う。 ― スバルはレガシィツーリングワゴンのコンセプトを10年以上変えず、 4WDで極めて走りのよいグランドツーリングカーを提案してきました。 ポルシェ デザイン まったく正しいポリシーだと思う。もしも私がスバルにいて、ポリシーを決める立場にあったとしたら、まったく同じものを選ぶだろう。 製品ラインナップを「高性能な4WD車」というポリシーで貫く。スバルがこのポリシーを保ち続けてきた理由は、とてもよく分かる。同じ姿勢で製品を作るというのは素晴らしいことで、消費者も クラスを問わず高性能なクルマを作るというスバルの姿勢を理解してくれるだろう。実に正しいポリシーではないか。 スバルの正しさは10年から15年前のことを考えてみるとよく分かる。先ほども言ったように、当時ヨーロッパではワゴンの人気はそれほどでもなかった。その頃からスバルは現在とさほど変わらない車を作っていた。ワゴンボディの4WDで、パワフルなエンジンを持つクルマを。こうしたコンビネーションは、現在のドイツでは非常に人気が高く、よく売れている。言い方を変えれば、スバルは10 年から15年他社より進んでいたことになる。当時からそんな車を作っていたのだから。 ― そのSUBARUとのコラボレーションをどう思いますか? ポルシェ デザイン ポルシェ デザインの考え方として、デザインの力と製品の持つ力、つまり売れている度合いのギャップが大きいことは好ましくない。バランスのとれた関係、調和のとれた関係であって欲しいわけだ。スバル・レガシィとポルシェ デザインの関係は、互いにバランスの取れた良い関係だと思う。 |